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突然のご報告、お許しください。
今年(平成16年)の3月末、開店後10年をもちまして、
「恵比寿ガーデンプレイスタワー店」を店仕舞いさせていただきます。
技術も、接客も、店の演出も、まだまだ未熟であった私共を、
温かいまなざしで見守りつつ、ひいきにしていただいた皆様には
礼を失した行いであることは重々承知しております。
ここにお詫びを申し上げるとともに、
「閉店」を選択するにいたった敬意をご報告させていただきます。

「ビルに入っているそば屋で、まず一番を目指そう」と、
私どもが都心のターミナルビルに出店を始めたのは
池袋のメトロポリタンプラザ店が最初でした。
この「池袋メトロポリタンプラザ店」は皆様に愛される店に成長し、
いまも、ありがたいことに、常連のお客さまを中心にかわいがって頂いております。
私たちが池袋の次に目指すことになったのが恵比寿でした。
場所はサッポロビールの恵比寿工場跡地に立つ39階建ての「恵比寿ガーデンプレイス」。
「お店を出してみないか」とビルを管理する会社からお誘いを受けたのが平成5年です。
最初はこのお誘いを固辞しました。自分たちの力にあまると思いました。
しかし、私たちは度重なるお誘いを受けていくうちに、
挑戦することに意味があると考えるようになりました。
たとえ失敗しても、その経験が財産になると思ったのです。
ところが、さまざまな思いを笑い飛ばすかのように、
お店を開けてみると、毎日行列が絶えない大繁盛。
オープンから2年ほどは、お店から、エレベーターのところまで
連日並んで順番待ちをしていただかなくてはいけない状況でした。
私たちは、このお店が生み出した儲けを、
自家製粉を極めるための低温倉庫や石臼を使った製粉機などに注ぎ込みます。
質の高い玄そばを手に入れるためにも使いました。
手打ち職人も育てることができました。
そして、新宿高島屋店・東急東横店と続きます。
いずれも、小松庵の財産となって、いまも残っています。
「恵比寿ガーデンプレイス店」は、
いまの私たちをつくる礎となってくれたのです。
みなさまのおかげで。
しかし、観光のお客様の減少に伴い商売が難しくなっていきました。
「そば」の魅力をもっと知っていただこうと
自家製粉、手打ちにするなど、さまざまな試みをしました。
しかし、残念ながら近隣の皆様、オフィスのみなさまには、
ご支持をいただけませんでした。
接客についても、作り手と食べ手のほどよい緊張感と秩序を大切にしていますが、
これも、「恵比寿ガーデンプレイス店」では、最後までできませんでした。
連日の行列に対応することに汲々とし、
小松庵のそばを好きでいてくれる本当のお客さまとの関係づくりが、
疎かになってしまいました。
小松庵のそばに、
そして、私たちに、愛情を感じていただいていた本当のお客さまには、
ご迷惑ばかりかけたことと思います。
ずいぶんと、期待を裏切ったり、嫌な思いをさせてしまったりしたことだと思います。

こんな私たちですが、それでも、ひいきにしていただくお客さまに恵まれたことは、
なにものにも変えがたい喜びです。
毎年、年越しそばを食べにいらっしゃるお客さま、
遠くから、「この店のそばが好きだから」と生そばを買いに来ていただくお客さま、
毎週のように通ってくださるお客さま、
そうした小松庵ファンのみなさまがいらっしゃるのに、店仕舞いをする。
これが、唯一の心残りです。
力不足であった私たちを、どうかお許しください。
株式会社 小松庵総本家
専務取締役 小松孝至
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