池袋駅のメトロポリタンプラザビルでした。
それから、新宿高島屋へ、恵比寿ガーデンプレイスへと向かいます。
私たちにとって、華やかで巨大な商業ビルは、いま、考えると、
ドン・キホーテが突っ込んでいった、巨大な風車だったのでしょう。
私たちが現代の風車に突っ込んでいったのは、
そば職人の仕事を求めている人たちがいるのかを、
確かめたい気持ちがあったからです。
店同士が煌びやかさを競い合う巨大なレストラン街に店を出したのは
嘘でも大げさでもなく、食がねじまがっているいまの時代を
そば職人が大勢生きていた時代に、引き戻したいと思ったからです。
生意気でしょう。無謀で危うい行為かもしれません。
勝算はるのか? と聞かれれば、がんばるだけです、と答えるしかない。
自分達がつくるそば以上にうまいそばがあることも知っています。
まだまだ、「駅に入っているそば屋としては…」というぐらいの評価なのです。
だからこそ、ささいな配慮をひとつもはぶかないで、積み重ねていく。
私たちは美味しい物を美味しく食べてもらうための“はぶかない姿勢”を
これまで以上に、貫いていかなければならない、と――。
とことん。
これは、私たちのそばづくりへ姿勢を表したもの。
同時に、そばづくりしかできない、私たちの不器用さも表しています。
限られた人にだけ、私たちが大切にしている「とことん」の風景を、
ぜひ、みていただきたいと思います。 |